ドライアイ

ドライアイとは

正常な目とドライアイの目の方面ドライアイとは、眼球を守るために不可欠な「涙」の量が不足したり、バランスが乱れることで、涙が十分に・均等に行きわたらない病気です。つまりドライアイは、「涙の病気」と言うことができます。 涙によって十分に守られなくなった眼球は、少しの刺激で傷がついてしまうようになり、繰り返していると炎症や視力の低下などにもつながりかねません。
単に目が乾きやすいことを「ドライアイ」と呼ぶなど日常語化していますが、決して甘く見てはいけません。できるだけ早く大阪市旭区のうえの眼科にご相談頂き、適切な治療を受けてください。
なお近年、パソコン・スマートフォン・エアコンの普及、コンタクトレンズ装用者の増加などを背景に、ドライアイ患者様も増え続けており、その数は国内だけで2,000万人以上と推定されています。

 

涙について涙は、眼球を守るために欠かせないものです。
涙は涙腺で作られ、瞬きの際に一定量が目の表面に行きわたります。その後、古くなった涙は目頭近くにある涙点から排出(約10%は蒸発)されます。
こうして、私たちの目の表面は、常に新しい涙で覆われ、外部の刺激から守られているのです。

ドライアイの原因

ドライアイの原因ドライアイの様々な原因をご紹介します。

加齢

加齢にともなう涙量の減少や安定性の低下などが指摘されています。

性別

男性よりも女性の方がドライアイになりやすいといわれています。

乾燥した環境

空気が乾燥する冬場などは、目の表面から蒸発する涙の量が多くなるため、特にドライアイが起こりやすい季節と言えます。
また現在では、自宅、オフィス、公共施設などでもエアコンの使用が当たり前になっており、冬場はもちろん、夏場も空気が乾燥しがちです。加湿器などで湿度を保つ、エアコンの風が直接当たらないようにするなどの対策が必要です

VDT(Visual Display Terminals)作業

パソコンや携帯端末などのモニター画面を見つめる作業を長時間行うと、まばたきの回数が極端に減るためにドライアイが起こりやすくなります。

喫煙

たばこの煙に曝されると、涙の質が悪くなります。

コンタクトレンズ

コンタクトレンズの装用は、涙の蒸発量の増加を招き、ドライアイの原因となります。
特にソフトコンタクトレンズは、瞬きの際に目の表面と摩擦が生じるため、炎症・乾燥のリスクが高くなると言われています。
また、ソフト・ハード問わず、レンズの汚れや傷は涙の安定性を低下させ、ドライアイのリスクを高めます。

マイボーム腺機能不全(MGD)

まぶたの縁にあるマイボーム腺の詰まりが原因で、油成分の分泌が低下します。

マイボーム腺機能不全(MGD)
について詳しくはこちら

結膜弛緩症

加齢に伴う、結膜(白目を覆う膜)の弛緩のため、眼表面に涙が留まりにくくなり、また、弛緩した結膜と眼球の摩擦により眼表面が傷つきやすくなります。

内服薬の副作用

抗コリン作用のある向精神薬などで、涙の分泌量が減少することがあります。
また防腐剤が入っている点眼液(目薬)の影響で角膜に傷がつくこともあります。

シェーグレン症候群

中年の女性に多い自己免疫疾患で、涙腺や唾液腺などが破壊されて、涙や唾液が分泌されなくなります。
そのため、悲しくても涙は出ません。重症の場合、目が開けられないほどの痛みを伴うことがあります。

ドライアイの症状

目が乾くなど典型的なドライアイ症状だけでなく、様々な症状に悩まされています。

主なドライアイの症状

ドライアイチェックシート 

ドライアイの検査

ドライアイの検査特殊な顕微鏡(スリットランプ)を用い、フルオレセインという染色液を少量点眼して目の表面を観察する検査を行います。涙の安定性、角膜・結膜の状態、傷の有無を調べることができます。
同じ染色液を用いた検査に、涙液層破壊時間(BUT検査)があり、これを同時に行うことも可能です。目を開けた状態で、涙の層が崩れるまでの時間を計測します。
どちらの検査も短時間で終わるものであり、強い痛みなどもありません。

ドライアイの治療

点眼治療

ドライアイの層別治療軽症の場合には、目の潤いを維持する点眼薬(目薬)により症状の緩和が可能です。人工涙液やヒアルロン酸製剤、ムチンや水分を分泌促進する点眼薬(ジクアホソルナトリウム)、ムチンを産生する点眼薬(レパミピド)などを、ドライアイのタイプに応じて使い分けます。

涙点プラグによる治療

重症の場合には、涙が排出される「涙点」を、涙点プラグで栓をする治療が有効です。涙が目の表面に長く留まり、ドライアイの改善が期待できます。
大阪市旭区のうえの眼科では、シリコン製の涙点プラグ、液状の涙点プラグをご用意しております。

シリコン製プラグ

シリコン製プラグ直径は0.5〜1.0mm程度で、患者様の涙点の大きさに合わせてサイズを選択します。麻酔をした上で挿入するため、痛みもありません。
定期的にご来院いただき、涙が溢れるようであれば抜くなどして、調整します。 抜かない限り、効果は持続します。

液状コラーゲンプラグ

キープティア液状コラーゲンプラグ(キープティア)は、低温では液体ですが、体温付近でゼリー状に固まる性質を持っています。
そのため、涙点に注入後、涙点の大きさにぴったり合う形でゼリー状になり、涙の排出を防ぎます。 ただし、3ヶ月程度で少しずつ分解または排出されるため、効果を維持するためには定期的な注入が必要になります。
乾燥した冬場だけプラグをしたい、といった方におすすめです。

涙点プラグによる治療費用
施術時間 点眼麻酔:片眼約5分
治療費用

1割負担の場合 
片眼 1涙点(約1,100円) 2涙点(約1,500円

 3割負担の場合 
片眼 1涙点(約3,300円) 2涙点(約4,500円)

詳しくは大阪市旭区のうえの眼科までお問い合わせください。

マイボーム腺機能不全(MGD)のホームケア

温罨法
(おんあんぽう:まぶたを温める)

マイボーム腺の脂をとかし、まぶたの血流を改善します。まぶたとマイボーム腺周囲の温度をある程度上昇させ、一定時間保つことが重要です。
国際標準の治療として以前から効果が確認されている、自宅でできるケアです。「目が楽になる」「目を開けやすい」「気持ち良い」といった副次的な効果も期待できます。

POINT
  • まぶたをじっくり38℃前後で5分間温めます
  • 温めたあと、まぶたを指のはらでやさしくマッサージします
  • 1日5分、朝晩の2回行うと効果的です

※変形して固くなったマイボーム腺の脂を溶かすには、36℃以上の温度が必要です。
※「まぶたが濡れない温め方」が最も効果的です。
※花粉症をはじめとしたアレルギー性結膜炎のある方は、目を温めることで目が赤くなったり(充血)目がかゆくなったり(眼掻痺感)することがあります。そのような場合は、大阪市旭区のうえの眼科とご相談ください。

温罨法
(おんあんぽう:まぶたを温める)の動画

 

眼瞼清拭
(リッドハイジーン)

眼瞼清拭(リッドハイジーン)は、汚れたマイボーム腺からの脂の排出を促進し、固まった脂や角化物の除去、およびマイボーム腺周囲の細菌の減少を目的として行います。
指の腹を使って、やさしくまつ毛の根元周囲をマッサージすると効果的です。温罨法(おんあんぽう:まぶたを温める)と併用すると、さらなる効果が期待できます。

POINT
  • 指のはらでまつ毛の根元周囲をやさしくマッサージします
  • 鼻側から耳側へ(内側から外側へ)一方通行であらいましょう
  • 温罨法(おんあんぽう:まぶたを温める)のあとで行うとさらに効果が高まります
  • 洗顔や歯磨き同様、毎日行うと効果的です
眼瞼清拭(リッドハイジーン)の
動画

悪化要因の除去

長時間のモニター作業、運転など、人は集中している時に瞬きの回数が減少します。モニター作業や運転をする時は、意識して瞬きの回数を増やすようにしてください。また、コンタクトレンズの装用をやめて眼鏡を使用する、あるいはコンタクトレンズをする時間を減らすといった対策も有効です。 その他、涙の状態を悪くする内服薬(降圧剤、向精神薬など抗コリン作用を持つ薬)が原因になることもありますが、ご自身の判断で使用を中止するのではなく、必ず医師に相談するようにしてください。

 

その他

目の保湿を図るために、加湿器を用いたり、エアコンの設定を変えるなども有効です。市販のドライアイ専用眼鏡の使用やメガネの周りに覆いを付けることも目の周りの湿度を上げるのに有効です。 最近、目に特化した「目もと保潤器EYE MOIST」が出ました。


ドライアイの予防

ドライアイの多くは、VDTの長時間使用などのライフスタイルが影響していることが多いので、日々の注意でドライアイにならない、悪化させないことが大切です。

目の乾燥対策をしましょう

目の乾燥対策目が乾くと眼精疲労が進みます。目の乾燥を防ぐには次のことを意識しましょう。
また、大阪市旭区のうえの眼科ではサプリメントとして、サンテウェルビジョンをご用意しています。

  • まばたきの回数を意識して増やし、涙で目をうるおす。(※2)
  • 加湿器をおくなど、部屋の乾燥を防ぐ。最近、目に特化した「目もと保潤器EYE MOIST」が出ました。
  • エアコンの風に直接当たらない。
  • コンタクトレンズをやめて眼鏡をかけるようにする。

(※2)
まばたきの回数を意識して増やし、涙で目をうるおす。

集中時のまばたき回数通常、私たちは1分間に20~30回のまばたきをします。しかしモニターに集中している時には、この回数が4分の1に減少してしまうことが分かっています。
パソコン作業をする時、TV・動画視聴をする時には、意識的にまばたきの回数を増やし、涙で目をうるおしましょう。

 

≪眼輪筋トレーニング≫

パソコンやスマホの普及により、まばたきが不完全となり、良質な涙に不可欠な水分・脂分が目の表面に行き渡らないために起こるドライアイが増えています。
対策としては、NHKの「あさイチ」でも紹介された、眼輪筋トレーニングがおすすめです。特にデスクワークの多い方は、ぜひチャレンジしてください。

瞼を鍛えるトレーニングに
ついて詳しくはこちら

パソコン作業の工夫

作業する環境や方法、時間に留意します。

距離を調節する

目とモニターの距離は、40cm以上になるようにします。背筋を伸ばすだけでも、モニターとの距離がとれます。 奥行のない机、高さの合っていない椅子、狭い場所での作業は、この距離を保つことが難しいため、おすすめしません。
また前提として、40cmをあけても文字が読めるように、必要な方は眼鏡やコンタクトレンズを装用してください。

環境を調節する

モニター上を500ルクス以下、手元(書類やキーボード上)を300ルクス以上になるよう調整することで、目の負担を軽減できます。
また、太陽光が画面に当たらないよう、カーテンやブラインドを活用してください。

目を休める

パソコン作業では、20分に1度、20秒ほどでいいので遠くを見て目を休めてください。
休憩をとることが難しい場合には、モニターを見ない仕事をする、窓の外を眺めるといったことでも構いません。

ドライアイQ&A

ドライアイを治すことはできるのでしょうか?

ドライアイを根本的に治せる治療というものは、今のところ確立されていません。さまざまな要因に対して適切な治療・対応を行うことが、症状の改善や解消につながります。その要因が何であるかを知り、正しく対策するためにも、眼科を受診するようにしてください。

ドライアイの人は、ハード・ソフトのどちらのコンタクトレンズを選ぶべきでしょうか?

一般には、ハードコンタクトレンズの方がドライアイのリスクは低いと言われています。ただ、現在ではドライアイ対策として使用できる、保水性の高いソフトコンタクトレンズも登場しています。 また、コンタクトレンズは屈折異常のタイプや使い勝手なども考慮した上で、眼科医と相談して選ぶ必要があります。ドライアイだからハードまたはソフトという選び方ではなく、さまざまな観点から総合的に判断することが大切です。

花粉症の人がドライアイになりやすい、というのは本当でしょうか?

花粉に限らず、アレルギーを起こしやすい人は、涙の成分が消費されやすいためドライアイのリスクが高くなると言われています。大阪市旭区のうえの眼科 では、アレルギー性結膜炎の治療も行っております。ぜひ一度、ご相談ください。

風に当たると涙が出るのは何故でしょうか?

角膜表面は薄い涙液層で覆われ守られています。風が当たると角膜表面が乾き、角膜表面が露出します。
角膜表面の露出を防ごうとして涙が出ます。