インテンシティとは
白内障手術の際に使用する多焦点眼内レンズは、近方・中間距離・遠方のうち、2つまたは3つの距離にピントが合う、2~3焦点タイプが一般的でした。
大阪市旭区のうえの眼科で取り扱う多焦点眼内レンズ「インテンシティ」は、これに遠中(遠方と中間距離のあいだ)、近中(中間距離と近方のあいだ)を加えた5つの距離にピントが合う、5焦点眼内レンズです。
5つの距離にスムーズにピントが合うことで、裸眼で快適に生活を送っていただくことができます。
なおインテンシティは、2019年にヨーロッパの安全基準を満たし「CEマーク」を取得しており、国内では2020年より自費診療としての取り扱いが開始されています。
レンズのスペック
名称 | インテンシティ(Intensity) |
---|---|
光学部 デザイン |
5焦点回折型 |
焦点距離 (ピント) |
遠・遠中・中・近中・近(∞・133cm・80cm・60cm・40cm) |
乱視矯正 | ◯(強度近視非対応) |
ハロー・ グレア |
少なめ |
生産国 | イスラエル |
メーカー | Hanita Lenses |
素材 | 25%親水性アクリル素材 |
矯正範囲 | 10.0D〜30.0D(0.5Dきざみ) |
インテンシティの特徴
インテンシティは、単にピントの合う距離が5つになったというだけでなく、従来の眼内レンズからさまざまな改良が加えられています。
高いコントラスト感度
独自開発のレンズ構造により、光学的エネルギーロスが最小限に抑えられています。従来の2焦点眼内レンズで約20%、3焦点眼内レンズで約12%だったロスが、インテンシティでは6.5%にまで下がっています。
これによりコントラスト感度、つまり見え方の質が改善されています
夜間・暗い場所でも
見え方が良好
インテンシティは、瞳孔径の大きさに応じて、光の配分が最適化される設計となっています。
夜間や暗い場所では瞳孔径が小さくなりますが、見え方は違和感なく良好です。
ハロー・グレアの軽減
ハロー・グレアとは、夜間や暗い場所での光が滲んで見える、まぶしく見える不具合のことを指します。多焦点眼内レンズの最大の欠点が、このハロー・グレアの起こりやすさにありました。
インテンシティは、特殊な構造によってハロー・グレアが起こりにくくなっています。夜間の外出や運転が多い人にとって、新しい選択肢となります。
インテンシティの見え方
インテンシティは、遠方・中間距離・近方だけでなく、近中・遠中にもピントが合いやすい多焦点眼内レンズです。5つの焦点があることが、インテンシティの最大の特長と言えます。
この特長により、近方~遠方まで、「連続してスムーズにピントが合う見え方」が実現されます。
眼鏡をまったく使用せずに日常生活を送っている方もたくさんおられます。
他の眼内レンズとの比較
単焦点眼内レンズ | 2焦点眼内レンズ | 3焦点眼内レンズ | 5焦点眼内レンズ | |
ピントの合う距離 | 遠・中・近のうちの1つの距離 | 遠・中・近のうち2つの距離 | 遠・中・近の3つの距離 | 遠・遠中・中・近中・近の5つの距離 |
メガネの使用頻度 | 高い | 低い | ほぼ不要 | ほぼ不要 |
見え方の質 | 高い | 低い | やや低い | 高い |
ハロー・グレア | 起こりにくい | 起こる | やや起こりにくい | 起こりにくい |
夜間・暗い場所での見え方 | 良好 | 見えづらい | やや見えづらい | 良好 |
単焦点眼内レンズの場合、ピントが合う1つの距離以外を見る時には、眼鏡が必要になります。
対する多焦点眼内レンズでは、複数の距離にピントが合うため、眼鏡が必要になる機会が少なくなります。ただ、多焦点眼内レンズと比べてコントラスト感度が低い、ハロー・グレアが起こりやすいというデメリットも抱えているジレンマがありました。
その中でインテンシティは、多焦点眼内レンズのメリットをより大きくしながら、従来の多焦点眼内レンズにあったデメリットの軽減に成功したレンズと言えます。バランスに優れ、多くの方にご満足いただけるレンズとなりますので、ぜひ一度ご検討ください。
インテンシティのデメリット
インテンシティにはデメリットもございます。
大阪市旭区のうえの眼科では、多種の眼内レンズをご用意し、お一人おひとりの患者様に合ったものを提案いたしますので、どうぞご安心ください。
強度近視の方は適応外に
なることがある
矯正度数の幅が限られているため、強度近視(-6.0D以上)の場合には、インテンシティを選択できないことがあります。
40cm以下距離での
視力の落ち込み
他の多焦点眼内レンズほどではありませんが、40cm以下の近方では、多少の視力の落ち込みがあります。
そのため、手元の細かい作業・読字などをする際には、眼鏡が必要になります。またそういったお仕事などに就かれ、眼鏡を装用したくないという場合には、単焦点眼内レンズをおすすめします。
高額な費用
インテンシティは保険が適用されず、選定療養にも該当しないため、全額自己負担となります。
保険の単焦点眼内レンズ、選定療養の多焦点眼内レンズを選択された場合と比べると、患者様の経済的ご負担が大きくなります。
インテンシティの費用
内容 | 金額 |
---|---|
乱視なし |
560,000円 |
乱視あり |
600,000円 |