近視性脈絡膜新生血管
近視性脈絡膜新生血管とは
近視性脈絡膜新生血管(みゃくらくまくしんせいけっかん)は病的近視の方の5~10%に起こる病気で、眼底(がんてい)で出血やむくみを生じる病気です。現在、治療法は大きく進歩し、きちんと治療を続ければ、症状の改善が期待できるようになりました。
正常な状態
病的近視における脈絡膜新生血管
検査について
病的近視における脈絡膜新生血管を診断するため、もしくは治療の経過をみるために、主に次のような検査が行われます。
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視力検査
指定の距離から、視力検査表を片眼ずつ見て、どの大きさまで見えるか調べます。
見えにくい場合は、検査表に近づいて測定します。 -
眼底検査
目の奥に光をあてて、網膜を直接観察します。
網膜の血管の様子、出血や網膜のむくみ(黄斑浮腫)の状態を見ることができます。<正常>
<病的近視における脈絡膜新生血管>
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光干渉断層計(OCT)
網膜は層構造になっており、その層構造を断面的に観察する検査です。
網膜のむくみ(黄斑浮腫)の状態がわかります。<正常>
<病的近視における脈絡膜新生血管>
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OCTアンギオグラフィー(光干渉断層血管撮影)
<正常>
<病的近視における脈絡膜新生血管>
※上記は造影剤を使用した画像です。造影剤を使用すると、まれに吐き気や嘔吐、アレルギー反応などの副作用が起きることがあります。
当院では、OCTアンギオグラフィー(光干渉断層血管撮影)にて観察が可能です。
治療法について
近視性脈絡膜新生血管に対して、現在行われている主な治療法は以下のものがあります。
- 抗VEGF薬治療
- 病的近視における脈絡膜新生血管の発生にはVEGFという物質が関与しています。そのため、VEGFのはたらきを抑えるお薬を目に注射します。
- 網膜光凝固術
- レーザー光線を網膜の新生血管のあるところに照射し、新生血管の成長を止めます。
- 黄斑移動術
- 黄斑の中心部にある「中心窩」を移動させてしまう手術法です。
- 新生血管抜去術
- 網膜の一部を切開して、新生血管を直接抜き取ってしまう手術です。