加齢黄斑変性について
滲出型加齢黄斑変性とは
滲出型加齢黄斑変性(しんしゅつがたかれいおうはんへんせい)では、脈絡膜(みゃくらくまく)から網膜に向かって、新生血管(しんせいけっかん)という正常とは違う血管が生えてきます。この血管はもろく破れやすいため、出血したり、血液中の水分(滲出液)がもれたりしやすく、黄斑部の網膜の下にたまってしまいます。そのため、視野の中心にある「見たいもの」が見えにくくなってしまいます。
加齢黄斑変性になりやすい人
- 加齢
- 喫煙
- 太陽光
- 高脂肪食
- 肥満
- 抗酸化物質の摂取不足
加齢黄斑変性の予防に有用な栄養素について
推奨される栄養素 | 食品例 |
---|---|
亜鉛 | 牡蠣、牛肉、豚レバー |
ビタミンC | 緑黄色野菜、緑茶 |
ビタミンE | 油脂類、アーモンド |
ベータカロテン | 緑黄色野菜 |
ω-3多価不飽和脂肪酸 | 魚類 |
食事でのケアも忘れないように、足りない分はサプリメントでとりましょう。
当院ではサプリメントとして、オプティエイドMLをご用意しています。
検査について
加齢黄斑変性を診断するため、もしくは治療の経過をみるために、主に次のような検査が行われます。
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視力検査
直接、目の表面に測定器具をあてて測定する方法と目の表面に空気をあてて測定する方法があります。緑内障治療経過を確認するための重要な検査です。
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眼底検査
目の奥に光りをあてて、網膜を直接観察します。
網膜の血管の様子、出血や滲出の状態を見ることができます。<正常>
<滲出型加齢黄斑変性>
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光干渉断層計(OCT)
網膜は層構造になっており、その層構造を断面的に観察する検査です。
滲出や新生血管の状態がわかります。<正常>
<滲出型加齢黄斑変性>
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OCTアンギオグラフィー(光干渉断層血管撮影)
<正常>
<滲出型加齢黄斑変性>
※上記は造影剤を使用した画像です。造影剤を使用すると、まれに吐き気や嘔吐、アレルギー反応などの副作用が起きることがあります。
当院では、OCTアンギオグラフィー(光干渉断層血管撮影)にて観察が可能です。
加齢黄斑変性の治療法について
滲出型加齢黄斑変性に対して、現在行われている主な治療法は、次の3つです。
中心窩の下に新生血管があるときに行える治療法
- 抗VEGF薬治療
- VEGFのはたらきを抑えるお薬を目に注射します。新生血管の成長やそこからもれ出る血液中の水分を減らします。
- 光線力学的療法(PDT)
- 光に反応するお薬を腕の静脈から投与し、弱いレーザーを照射して、新生血管を閉塞させます。
中心窩からはなれたところに新生血管があるときに行える治療法
- レーザー光凝固
- レーザー光線を、新生血管のあるところに照射します。新生血管の成長を止めることができますが、同時に網膜も凝固されるため、照射したところの網膜では、ものが見えなくなります。
定期的な治療の重要性
抗VEGF薬による治療は、一旦症状がよくなっても、再発することもあるため、定期的に検査と治療が必要です。
気が付かないうちに病状が進行して、視力が低下したり、見えにくい範囲が広がったりするのを防ぐためにも、定期的な検査と治療が大切です。
<見え方の変化(イメージ図)>