外眼部手術
白内障手術を内眼部手術というのに対して、眼球の外側(眼球の周囲を取り巻いている眼球に付属する器官)への手術を外眼部手術といいます。
大阪市旭区のうえの眼科では「翼状片」、「結膜弛緩症」などの外眼部手術を日帰りにて行っております。 原則、予約制となっておりますので、ご希望の方はまず診察を受けてください。
この治療を必要とする病気
翼状片
目頭の方から結膜(白目を覆う膜)の一部が、黒目へと入り込んでしまう病気です。
進行し侵入範囲が広くなると、充血、異物感、腫れなどの症状が現れます。また、見た目上の問題も発生します。
症状がなく、見た目も気にならないようであれば経過観察に留めます。症状がある場合、軽度であれば点眼薬(目薬)による対症療法を行いますが、進行している場合には増殖組織を切除して行うのではなく、増殖組織を切除せずに行える手術を検討します。
結膜弛緩症
結膜が必要以上に緩み、半透明になって黒目の下側を覆う病気です。主な原因は、加齢と言われています。
涙がよく出る、ゴロゴロとした異物感、ショボショボする感じなどの症状を伴います。
手術では、緩んでいる結膜を焼灼し、切除します。
霰粒腫
まぶたにできる、硬いしこりです。
しこりによる異物感を主な症状とします。また、炎症を伴う場合には、痛みを伴います。多くは炎症を抑える点眼薬(目薬)や軟膏で症状を抑えられます。また、疲れやストレスによってしこりが大きくなることもあります。
マイボーム腺を第一に考えるLIME研究会の一員としては、1本1本のマイボーム腺を大切にしたいと考えています。
霰粒腫を切らないで治す、保存療法(温罨法、リッドハイジーンなど)をまずして、治りにくい場合、しこりを摘出する手術を検討いたします。
レーザー光凝固術
(網膜光凝固)
レーザーを用いて、眼底の組織を凝固させる治療を、レーザー光凝固術(網膜光凝固)と言います。
主な適応する病気に、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜裂孔があります。
糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症の進行を抑制します
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症に対しては、新生血管が発生してくるのを予防したり、すでに発生している新生血管を退縮させたりします。増殖前網膜症や増殖網膜症、あるいは黄斑浮腫に対して効果があります。
網膜裂孔、網膜剥離の悪化を防ぎます
網膜に孔(あな)があく網膜裂孔、網膜が剥がれる網膜剥離は、放置していると悪化します。
裂け目、穴のまわりにレーザーを照射し焼き固めることで、それ以上の悪化を防ぐことができます。
中心性漿液性脈絡網膜症に有効になることも
中心性漿液性脈絡網膜症とは、網膜の中心にある黄斑の下から水分が出て溜まり、黄斑のむくみ(浮腫)を引き起こす病気です。
自然に治ることもありますので、しばらく様子をみることもあります。しかし、いったん良くなっても再発することが多いので注意が必要です。しみ出しの部分が黄斑の中心(中心窩)から離れている場合は、レーザーを照射し焼き固めることで、水分の漏れを抑制することができます。
YAG(ヤグ)レーザー治療
白内障手術から5年経過後で全体の約20%合併する「後発白内障」に対する治療となります。濁ってしまった水晶体嚢(水晶体が入っていた袋)にYAG(ヤグ)レーザーを照射することで、濁りを除去します。
YAG(ヤグ)レーザー治療の注意点
手術当日は散瞳するので、車・バイク・自転車の運転ができません。ご来院・お帰りの際には、公共交通機関またはご家族の運転する車などをご利用ください。
SLTレーザー治療
大阪市旭区のうえの眼科ではタンゴ オフサルミックレーザーを導入しております。タンゴ オフサルミックレーザーは高い精度が特長で、パラメータを0.1 mJ単位で微調整できます。この特性は優れたエネルギー制御と組み合わさり、非常に正確なSLT処置を実現します。
涙点プラグによる治療
涙は、涙腺から分泌され、眼の表面を潤します。そしてその後、目頭付近にある涙点という穴から、鼻腔へと流れ出ます。
ドライアイなどで涙の量が不足している場合には、涙点プラグによって涙点を塞ぎ、眼の乾燥を防ぐ治療が有効になります。涙点が塞がれることで、眼の表面に涙が長く留まります。
ドライアイの治療として人工涙液を点眼することもありますが、人工涙液には天然の涙に含まれるタンパク質、ビタミンなどが入っていません。そういった意味でも、眼の健康をしっかりと守ってくれる治療と言えます。
涙点プラグには、「シリコン製プラグ」と、「液体コラーゲンプラグ」があります。
シリコン製プラグについて
シリコン製プラグは、装着している限り効果が続きます。
涙点の大きさを専用の測定器で計測し、サイズの合ったプラグを挿入します。挿入時、挿入後とも、ほとんど痛みはありません。
違和感が強い場合や涙がたくさんあふれてくる場合には、プラグを取り外すことができます。
液体コラーゲンプラグに
ついて
低温では液体ですが、注入してから15分ほどで体温によってゼリー状に固まり、涙点を塞ぎます。
注入時、注入後もまず痛みはありません。シリコン製プラグと比べると、違和感も生じにくいという特長があります。
ただし、3ヶ月程度で少しずつ分解または排出されるため、効果を維持するためには、定期的に注入が必要になります。